インバウンド成功事例【旅館】大分県湯平温泉の山城屋 満足度ランキング全国3位!

山城屋インバウンド情報

大分県の湯平温泉の山城屋は、創業50年の小さな旅館です。

ところが、世界最大旅行サイトである「トリップ・アドバイザー」宿泊施設満足度ランキング全国3位に,「外国人に人気の日本の旅館2016」で10位にランクインしています。

ここでは、なぜこのような家族経営型小規模旅館がこれほど訪日外国人観光客に人気がでるようになったのかを探っていきます。

山城屋についてもっと知りたい方はこちらの書籍が参考になります。

湯平温泉について

湯平温泉は大分県由布市由布院町にある温泉街です。

由布院と聞くと有名な由布院温泉を想像すると思いますが、湯平温泉は由布院温泉から10キロ以上離れたところに位置する温泉街です。

湯平温泉は、小さな温泉街ですが、大正から昭和にかけて療養温泉地の「西の横綱」と呼ばれ、別府に次ぐ有名な温泉地でした。

しかし、昭和50年代以降、近隣の由布院温泉の台頭と逆行するように、湯平温泉は客足が減り、全盛期はこの40年の間に衰退してしまいました。

現在は以前は60軒近くあった旅館が、2017年には21軒と3分の1まで減少しています。

山城屋とは


山城屋は、そのような湯平温泉にある創業50年の旅館です。

公式ページはこちら

客室7室しかない小規模な旅館です。

しかしながら、山城屋は訪日外国人観光客が連日のように利用するため、客室稼働率がほぼ毎日100%状態が続いており(コロナ禍の前)、世界最大旅行サイトである「トリップ・アドバイザー」宿泊施設満足度ランキング全国3位に,「外国人に人気の日本の旅館2016」で10位にランクインしています。

なぜ、このような家族経営型小規模旅館がこれほど訪日外国人観光客に人気がでるようになったのかをここでは探っていきます。

山城屋の海外へのPR活動

実際に山城屋が行った海外へのPR活動は以下の3つであります。

スポーツをつうじた国際交流

1つ目は、スポーツをつうじた国際交流

海外へのPR活動のために地元のスポーツイベントを企画し、そのイベントに多くの訪日外国人に参加してもらうことで海外へのPR活動を行いました。

湯平温泉には、「ツール・ド・湯平」という湯平温泉と近隣の久住高原を往復するというサイクリングイベントがあり、そのイベントを韓国の自転車レースの選手団と国際交流という形で利用することで湯平温泉を海外へアピールしています。

加えて、参加者には大会後に温泉に無料で入浴できる特典などを付与するなどして湯平温泉を実際に体感してもらうことで湯平温泉をよく知ってもらうという試みも行っています。

現在では、この国際交流は「国際スポーツ交流協定」が結ばれ毎年お互いの訪問が定例化しており、
韓国以外にも国際交流を通じた海外へのPR活動が行われています。

山城屋は「ツール・ド・湯平」に台湾の自転車レース大会「太魯閣国際ヒルクライム」のレセプションとして参加し、そこで、湯平温泉のハッピや湯平温泉を紹介し、成功しました。

山城屋は、現在でも自転車大会を通じた国際交流を続け、世界に向けてPR活動を継続しています。

海外雑誌への売り込み

2つ目は、山城屋は韓国や香港などの海外雑誌で湯平温泉と山城屋を掲載して貰い、海外へアピールしました。

絵葉書を利用したPR活動

3つ目は絵葉書を利用したPR活動です。

山城屋に宿泊した外国人観光客がフロントにある絵葉書を自国の家族や友人に宛てて書き送るといったシンプルな方法です。

絵葉書を利用して日本文化を知ってもらいながら山城屋の良さを海外にPRできます。

これなんか、すぐにどこの旅館でも取り入れることができるのではないでしょうか。

山城屋のサービス:不安を安心感に変える


山城屋の主人は安心感こそが最高のおもてなしであると以下のように述べています。

「あらためて、認識したのですが、このように訪日外国人客と同じ立場になってみると、個人旅行客はまさに不安のかたまりです。旅行者から不安のかたまりを1つひとつ解いて安心感に変えることができたら、より旅行が楽しい思い出となり、移動する時間さえも旅の楽しみの1つになるのではないでしょうか。安心感こそが最高のおもてなし。山城屋にとってのおもてなしの答えはまさに安心感です。私は、この安心感をお客様に提供することを第一に考え、これまで様々な取り組みを行ってきました」『山奥の小さな旅館が連日外国人観光客で満室になる理由』p73

山城屋は不安を安心感に変えるサービスとして以下のようなものを行っています。

ホームページの多言語化

第1にホームページの多言語化である。

山城屋では、ホームページを英語、中国語、韓国語、日本語と4ヶ国語対応となっています。

地元の留学生の協力を得ながらホームページの翻訳が行われました。

大分県は別府市に立命館アジア太平洋大学(APU)があり、大分県は人口10万人あたり留学生比率が都道府県別で全国1位です。

山城屋はアクティブネットという留学生と企業・団体をマッチングするサイトで翻訳者を募集し、採用した留学生には翻訳だけでなく、実際に山城屋を体験してもらいその経験からキャッツコピーや山城屋に必要なアイディアを出してもらうことなどもしてもらいました。

言語別のご利用ガイドビデオの提供

山城屋のすごいところは、言語別(主に、韓国語・中国語・英語)のご利用ガイドビデオを作っているところです。

  • 日本旅館でのおくつろぎスタイル
  • 浴衣の着方
  • 湯平駅での降車方法(博多→由布院→湯平の場合)
  • 湯平駅からの乗車方法(湯平→由布院の場合)
  • 高速バスをご利用の場合

こちらは英語で湯平駅での降車方法(博多→由布院→湯平の場合)の動画です。

From Hakata to Yunohira by train (English ver 2.0)

山城屋までのルートマップ

山城屋はホームページの多言語化だけではなく、空港から山城屋までのルートマップを作成しています。

このルートマップも、立命館アジア太平洋大学の学生と留学生の協力のもと福岡空港、北九州空港、博多港から山城屋までのルートを写真を使い、ビジュアル化し、さらに英語で翻訳して作成しています。

山城屋を利用する外国人観光客に応じたサービスの提供

山城屋を利用する外国人観光客に応じたサービスの提供として以下の3点を行っています。

  • Wi-Fi館内全域で利用可能
  • 入浴所近くの休憩所に外国語訳の日本の漫画などを設置
  • 観光情報の提供:観光協会やSNSなどで無料で入手したパンフレット・多言語に対応した雑誌

これらは気軽に始められますね。

今の時代、Wi-Fiがないのは、致命傷になると思います。

私も国内でも、海外でも必ずWi-Fiが利用可能かどうかは調べます。

外国人観光客の国に応じたサービスの提供

山城屋は外国人観光客の国に応じたサービスの提供を行っています。

どういうことかいいますと、たとえば、韓国人の場合は、部屋の設定温度を夏は極端に涼しく、冬は極端に暖かく設定します。

また、氷水を好む傾向があるので、氷水を出しているということです。

他方で中国本土、台湾、香港からの方は極端な温度差を嫌う傾向があるので、部屋の温度設定もそのようにします。

また、飲み物もお茶や白湯などを好む傾向があるので、そのようなものを出しているということです。

このよう国別のサービスを行っているところは少ないと思いますが、一度知ってしまえば、簡単に実践できると思いますので、ぜひ取り入れてみてください。

まとめ

山城屋の成功した最も大きな要因は、地元の留学生をうまく活用して、徹底して不安を安心感に変えるサービスを行ってきたことにあると思います。

近隣の大学に留学生のアルバイトを募集したい旨をお願いしてみたらどうでしょうか。

大学によっては、喜んで紹介してくれると思います。

また、留学生を見つけるのが難しい場合は英語に関してはこちらを利用されるのも一つの方法です。

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山城屋へのご予約はこちら

参考文献

二宮謙児(2017年)『山奥の小さな旅館が連日外国人観光客で満室になる理由』 あさ出版

やまとごころ.jp 「【旅館:湯平温泉・山城屋】大分の小さな旅館が大手口コミサイトのランキングで「3年連続トップ10入り」を果たした理由 https://www.yamatogokoro.jp/inbound_case/27229/


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