外国のお客様に何かを伝えたいとき、ジェスチャーはとても有効です。
大きく身振り・手振りを交えることで、説明がわかりやすくなるばかりでなく、いきいきとした雰囲気が生まれ、お客様に与える印象がずっと良くなります。
ただ、ジェスチャーは国によって違うものは多くあります。
間違えると外国のお客様に不快な思いを与えてしまい、険悪な雰囲気になる可能性もあります。
いくつか日本人が間違いやすい、接客に携わる方はしっかりと覚えておくべき、ジェスチャ―やしぐさについて解説します。
また、最後により詳しく知りたい方のために、ジェスチャーに関する動画と本を紹介します。
“Yes”のジェスチャー
アゴをそらす
ギリシアやトルコ、イタリア南部やシチリアでは、「Yes」を意味するジェスチャーです。
首をかしげる
イスラエルでは「Yes」を意味するジェスチャーです。
片方の眉をつり上げる
フィリピンでは「Yes」を意味するジェスチャーです。
頭を左右方向に交互に傾けて揺らす
ブルガリア・インド・パキスタンなどで「Yes」を意味するジェスチャーです。
“No”のジェスチャー
首を後ろにそらす、目を大きく見開く
ギリシャでは、「No」を意味するジェスチャーです。
口の中で「チッ」と舌打ちをする
インドでは、「No」を意味するジェスチャーです。
首を縦に振る
ブルガリアでは、「No」を意味するジェスチャーです。
つまりブルガリアでは日本と全く逆になります。
こちらに来て
日本では誰かを呼ぶときに手のひらを下にして「おいでおいで」と上下に振りますが、アメリカでは「あちらに行って」と反対の意味になります。
アメリカやイギリスで「こちらに来て」のジェスチャーをする時は、逆に手のひらを上にして手首を曲げます。
人差し指と親指で◯を作って「OK」のサイン
日本やアメリカでは、人差し指と親指で◯を作って「OK」を意味するサインです。
一方、ブラジルでは男性に向けると「肛門」、女性に向けると「女性器」の意味になり、「Fuck you」を表す意味になってしまいます。
フランスでは人に向かって出すと「ゼロ=0=お金の意味」を指し、侮辱のサインとなります。
親指を中指の先で弾いて「パチン」と鳴らす
イギリスではこの仕草は、無関心、無視、冷笑などの軽蔑の意味を表します。
自分を指す
日本では「私が…」と自分を指すときに鼻のあたりを人差し指で指すことが多いですが、欧米系の外国人には、自分を指すときは親指で胸を指すか、軽く片手か両手を胸に当てます。
前を失礼
日本では、人の前を通る時に「前を失礼」の意味で、または、電車内で席を空けてほしい時等に片手を前に出し空を切るような仕草をします。
アメリカの方には「さようなら」などに見えます。
頭の上で、両手でマルを作って OK
日本では、「OK」「いいよ」を表すために頭の上で両腕でマルを作ることがありますが、他の国の方々には何の意味かわかりません。
日本では正解に「◯」印を付ける習慣がありますが、海外ではOKは「✔」(チェックマーク)を使うところも多く、〇が正解になるとは限らないのです。
さようなら
日本では「さようなら」などの意味で手のひらを相手に向けて左右に振りますが、韓国では犬に対して使われる仕草です。
韓国の方に手を振るときは、手のひらを下に向け上下に振るようにします。
数字の数え⽅
⽇本やアメリカの⽅々は、数字を数えるとき、1=⼈差し指、2=中指、3=薬指、4=⼩指、5=親指の順番に⽴てて数えます。
一方、ドイツ、フランス、北欧諸国の⽅々などは、親指から順に、⼈差し指、中指、薬指、⼩指を⽴てて数を数えます。
微笑み
接客中の日本人スタッフの笑顔は訪日外国人に高く評価されていると言われています。
ただ、気をつけなければならないのは、何かを間違えたり、うまく行かなかったりしたときには、微笑まないほうがいいと思われます。
間違いをした時に笑っていると、アメリカの方等は「間違いを気にしていない、悪いとも思ってい
ない」と誤解されてしまうことがあるからです。
相手の身体や頭を無闇に触らない
日本では子供の頭をなでるジェスチャーは親しみを持って行われますが、仏教が中心の国のなかには、「頭は体の最上部にあり精霊(神聖なもの)が宿るところ」として信じられている国があります。
参考文献
地域の観光人材のインバウンド対応能力強化研修 基礎知識
ジェスチャーに関するおすすめの動画
アメリカと日本の違いの動画はこの2本がおすすめです、
韓国と日本のジェスチャーの違いはこちら。
日本人の方がいろいろな国のジェスチャーを解説している動画です。
詳しく解説していて面白いです。
なお、異文化理解や多文化共生についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考に。
ジェスチャーに関するおすすめの書籍
最後にジェスチャーに関するおすすめの書籍を紹介します。
英語圏のジェスチャーについて学びたい方にはこちらがおすすめです。
動画でも学べます。
こちらはジェスチャーではないですが、異文化理解としておすすめです。
21万部売れている人気シリーズの本です。
まとめ
これらの違いを完全に理解する必要はありませんが、かなり違うということを理解して、ジェスチャーを使いましょう。
こういった文化の違いにさえ気をつければ、ジェスチャーは「伝えるための最高の道具」となります。
もちろんジェスチャーだけで伝わらないこともあります。
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